
鏡の向こう側から、誰かの視線を感じたことはあるでしょうか。
本展の作品たちは、鏡という境界「ミラーポイント」からこちらの世界を覗き込む住人です。
現実と想像、内と外、こちら側と向こう側。
それらが静かに溶け合い、世界の見え方が少しだけ反転する場所それが「ミラーポイント」です。
鏡は本来、自分自身を映すための装置です。
山口京将は、鏡を「見る/見られる」が反転する装置として用います。
本展では、鏡を組み込んだ台座によって、実体としての作品と、その鏡像が上下に呼応する空間が立ち上がります。作品を見ているはずの鑑賞者は、いつの間にか鏡の中の存在と視線を交わし、自分自身もまた、どこかから見つめ返されていることに気づくでしょう。
そこに生まれるのは、実像と虚像、主体と客体が交差する「視線の交差点」です。
自分が見る者であると同時に、見られる存在でもあるという感覚。そのわずかな揺らぎが、鑑賞体験を静かに反転させていきます。
山口の作品において「顔」は、単なるモチーフではありません。
それは他者と出会うための入り口であり、自分自身と向き合うための窓でもあります。私たちは自分の顔を直接見ることができません。
だからこそ、顔は常に「他者を通して」立ち現れるものです。鏡の中の住人と目が合う瞬間、そこには未知の他者であると同時に、まだ言葉になっていない自分自身の気配が宿っています。
鏡の向こうから届く視線に身を委ねながら、新しい友だちのような存在、そしてまだ知らない自分自身との対話を、どうぞゆっくりとお楽しみください。
展覧会名 IF FROM THE MIRROR POINT
会期 2026.1.31〜2026.3.26
会場 恵比寿ガーデンプレイス TSUTAYA BOOKSTORE
アーティスト 山口 京将
.png)