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本展では、山口京将の鮮やかなフェイクファーを纏う既存作に加え、棕櫚(シュロ)を素材とした新たな彫刻群が登場します。人工素材と自然素材、対照的な系譜を持つ両者が、同じ空間に存在することにより、異なる文明が交錯する場が生まれます。

シュロを纏った作品たちは、民俗的な記憶と結びつきながらも、ただ懐かしさを喚起するものではありません。その姿は、時の彼方から届いた謎の遺物、文明を越えたオーパーツのような異様さを携えています。人の手によるものとも、自然の生成物とも言い切れない、境界的な存在です。

人工素材と自然素材、都市的な色彩と民俗的な造形。その対比がもたらすのは、素材や時代を超えた異種の共存であり、私たちが無意識に持つ分類の枠組みを静かに揺さぶります。その存在たちは、どこかで見たことのあるような懐かしさと、名づけえぬ異質さを同時に携えます。

相反するものが存在するその佇まいは、かつてそこに何かがあった痕跡を感じさせると共に、これから何かが始まりそうな予感を孕んでいます。

それは、見知らぬ他者を見つめることを通して、いつしか自らの起源に触れるような体験となるでしょう。

展覧会名           What Was Here

会期                 2025.6.1〜2025.8.2

​会場           恵比寿ガーデンプレイス TSUTAYA BOOKSTORE

​アーティスト     山口京将

Art works

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